いつもの練習日、のはずだった
「俺本当に40代のおっさんか?」と思える瞬間
道場でいつも通りの練習をしていた夜。
突然15人くらいの若者が、ズガズガ入ってきた。
「正直びびった。」
見た目は完全に「反グレ」
しかも全員筋肉バキバキ。
正直に言うとーーーーー
「やばい。これは空気かわったな。」と思った。
まさかの展開
「通りがかりに道場が有ったんで、体験してもいい?」
そういわれてどうなるかと思ったら
先生はいつも通り冷静に一言。
「いいよ。ただし、ここはケンカの場じゃないからね。」
ーーーーーそのまま、普通に一緒に練習する流れに。
そして始まる「お祭り」
最初は真面目にドリル。
……だったのは最初の15分だけ。
一同もう飽きてきた様子。すぐに空気が一変。
「スパーリングやろうぜ!」
気づけば、ほぼお祭り状態。
そして先生が一言。
「じゃあ、やってみようか!」
ーーーーースパーリング大会、開幕
名前を呼ばれえた瞬間
僕は端の方で様子を見ていた。
正直、出たくなかった。。
すると先生がーーーーーー
「バブさん、ちょっとこっち来て。」
(うっわ。マジかぁ。)
逃げ場はない。
40代のおっさんでも、柔術やってる以上は引けない。
覚悟を決めてマットの上に堂々立った。
相手は一番デカいマッチョ
先生が選んだ相手。
それはーーーーー
その中で一番デカいマッチョ
身長180㎝前後、体重は100KG前後
こっちは167㎝、69KG。
普通に考えて、勝てる相手じゃない。
「手加減しろよ」の意味
スパーリング前タイマーを合わせながら先生が相手に言う。
「本気でやっていいよ。」
そして僕の耳元で小さく一言。
「手加減しろよ。わかってるな?」
(いやいや。こっちがされる側だろ…..)
始まって、気づいた
スパーリング開始。
引き込んでクローズドガードへ。
その瞬間ーーーーーー
「あれ?軽い」
違和感が有った。
25秒で終わった
次の瞬間には動いていた。
ヒップバンプスウィープ。
相手が空中にぶっ飛んで、地面にひっくり返った。
気づけばマウント奪取。
暴れる相手をコントロールしてーーーーー
首が空いた
そのまま、袖車絞め。
タップ。
この間、25秒。
その瞬間全部つながった
「ああ、そういうことか」
先生の言葉の意味がやっと分かった。
相手はマッチョマンでも素人。
自分はおっさんでも柔術家。
ただ、それだけの違い。
普段やってる、体重の軽いベテランの人。
正直、あの人の方が100倍重い。
ーーーーー技術って、そういうものだと思う。
継続してきたものは、ちゃんと残る。
スパーリングの後、相手に声をかけた。
「柔術は人との競争じゃない。昨日の自分に勝てればいい。
また来たら、一緒にやろう」
最初は荒れていた空気が、少し変わった気がした。
帰り際の一言
帰り際、その相手が言った。
「おじさん。強いね。またね。」
ちょっとにやけてしまった。
「またやろうぜ」
そう返した。
気付いたこと
長く続けていると、自分の強さって分からなくなる。
でもある日、ふとした瞬間に気付く。
「あれ、おっさん、けっこう強いかも。」って
